第4章 契約の成立 4−1 私権の変動    ζ法律行為   法律要件(権利変動の原因)    法律行為…当事者の意思に従った法的効果を認める要件。直接に法律効果をもたらす。  契約…申込の意思表示と承諾の意思表示が合致することによって成立する法律行為  単独行為…単一の意思表示により構成される法律行為 ex.取消・解除・遺言  合同行為…同一目的に向けられた2つ以上の意思表示の合致によって成立する法律行為 ex.社団の設立行為    準法律行為…その行為の中に意思的・精神的な要素が含まれているが、その意思に従って法律効果が認められる  のではなく、法が独自の観点から法律効果を認めるもの。  意思の通知…意思を伝えるものではあるが、行為者の効果意思とは無関係に法が一定の効果を与えるもの 催告・受領拒絶  観念の通知…一定の事実を伝えるものであり、行為者の効果意思とは無関係に法が一定の効果を与えるもの 代理権授与の通知・時効中断事由としての債務承認・債権譲渡の通知・転貸の承諾(判例) 4−2 契約の成立前の段階    δ契約締結上の過失 締結された契約の内容が客観的に原始的不能であるために契約が無効となるような場面において、その契約が     無効であることを知りながら、相手に注意を促さないままに契約を成立させてしまった場合   →通説)契約当事者は無効な契約を締結し、相手方に不測の損害を被らせないようにする信義則上の義務を負って   いる。その不履行の責任として、買主は売主の債務不履行責任を追及できると解すべきである。  r.不法行為責任の追及のみしかできないとすると立証責任(買主に故意過失の立証責任あり)・時効(3年)   の点で買主に不利であり、不均衡である。    要件 @締結された契約の内容が客観的に不能であるために、その契約が無効であること   A給付をなそうとした者が、その不能を故意過失により知らなかったこと   B相手方が善意無過失であること    効果 信頼利益の賠償 信頼利益…相手方がその契約を有効と信じたことによって生じた損害  目的物の調査費用    {履行利益…契約が有効であって完全に履行されていたならば債権者が受けていたであろう利益 転売利益    契約締結上の過失は契約が軽過失ある本人の錯誤により無効となる場合に相手方が損害を被った時    契約の準備段階において契約が流されてしまい締結まで至らなかった場合 にも適用される。 4−3 契約の成立     97条  隔地者に対する意思表示は其通知の相手方に到達したる時より其効力を生す   表意者か通知を発したる後に死亡し又は能力を失ふも意思表示は之か為めに其効力を妨けらるることなし   97条の2  意思表示は表意者か相手方を知ること能はす又は其所在を知ること能はさるときは公示の方法に依り て之を為すことを得      98条 意思表示の相手方か之を受けたる時に未成年者又は禁治産者なりしときは其意思表示を以て之に対抗するこ  とを得す。但其法定代理人か之を知りたる後は此限に在らす   526条  隔地者間の契約は承諾の通知を発したるときに成立す    申込者の意思表示または取引上の慣習により承諾の通知を必要とせざる場合においては契約は承諾の意    思表示と認むべき事実ありたるときに成立す    到達主義…意思表示は、その表示が相手方に到達したときに効力が生じるとされる。(97条1項)   {発信主義…契約の承諾の意思表示のみ、発信したときに効力が生じるとされる。(526条1項) 第5章 契約の有効性 5−1 当事者に関わる一般的有効要件   1.総説   動機→効果意思→表示意思→表示行為   ζ効果意思と表示行為の不一致の場合  表示主義…表示に合わせた契約内容を考える。(取引安全)=意思表示を有効とする。 {意思主義…効果意思に合わせた契約内容を考える。(静的安全)=意思表示を無効・取消可とする。     心理留保  虚偽表示  錯誤  詐欺   強迫   原則 有効(93本) 無効(94 ) 無効(95本) 取消可(96 ) 取消可(96 )   例外 無効(93但) 有効(94 ) 有効(95但) 有効(96 )  なし   第三者保護要件の比較    善意 無過失 登記 虚偽表示 (94 )   ○   ×   × 心理留保 (94 類適) ○   ○   × 錯誤・詐欺・強迫の取消後(94 類適) ○   ○   × 詐欺の取消前 (96 )   ○   ○   ○ 2.心理留保   93条 意思表示は表意者か其真意に非さることを知りて之を為したる為め其効力を妨けらるることなし  但相手方か表意者の真意を知り又は之を知ることを得へかりしときは其意思表示は無効とす  *93条但書の無効は善意の第三者に対抗できるか。94条2項のような規定がないので問題となる。   →通判)94条2項を類推適用し、善意の第三者に対抗できない。   r.取引安全の見地から、第三者を保護する必要がある。93条但書と94条は内心と表示が不一致であり、か    つそれぞれがそれを知っているという点で同様であり、類推適用の基礎がある。 3.虚偽表示   94条  相手方と通して為したる虚偽の意思表示は無効とす  前項の意思表示の無効は之を以て善意の第三者に対抗することを得す  *94条2項にいう「第三者」の意義   →@虚偽表示の当事者およびその包括承継人以外の者であって、A虚偽表示に基づき新たにB虚偽表示の当事者か    ら独立した利益を有する法律関係に入った者。  「第三者」に当たる例   α不動産の仮装譲受人から更に譲り受けた者 β不動産の仮装譲受人から抵当権を取得した者   γ仮装の抵当権者からの転抵当権者 δ虚偽表示の目的物の差押債権者 ε仮装債権の譲受人  「第三者」に当たらない例   α1番抵当権が仮装で放棄され、順位が上昇したと誤信した2番抵当権者   β代理人や法人の理事が虚偽表示した場合の本人や法人   γ債権の仮装譲受人から取立のために債権を譲り受けた者 δ仮装譲受人の単なる債権者   ε仮装譲渡された債権の債務者 ζ土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人(判例)  *94条2項の第三者には無過失を要求するか。A   →通判)不要である。r.条文の文言。本人の帰責性が大きいので第三者側の要件は緩やかにすべきである。  *94条2項の第三者には対抗要件を要求するか。A   →通判)不要である。r.表意者と第三者は前主後主の関係にあり対抗関係には立たない。  *悪意の第三者からの善意の転得者は94条2項で保護されるか。A   →通判)第三者に含まれ保護される。r.転得者の取引安全を保護すべき要請は直接の第三者の場合と同様である。  *善意の第三者からの悪意の転得者は94条2項で保護されるか。A   →絶対的構成(通説):一度善意者が出れば後の者は保護される。r.法律関係の早期安定    相対的構成:保護されない。r.問題となっている者ごとの善意・悪意により有効・無効を判断すべきである。 4.94条2項類推適用〜権利外観法理  *第三者の保護要件   →意思外形対応型…第三者は善意で足りる。    意思外形非対応型(110条類似の関係)…第三者は善意無過失を要する。 r.本人の予定した外観以上の外観が作出されている場合であり、本人の帰責性は少ない。   @要件 −虚偽の外観→不実の登記がなされていることが必要である。   A要件 −真の権利者の帰責性    イ)意思外形対応型→自己で虚偽の外観作出に積極的に関与する場合であり帰責性は認められる。    ロ)意思外形非対応型  *他人が虚偽の外観を作出した場合、単なる放置で真の権利者の帰責性は認められるか。   →通判)肯定。r.真の権利者は名義を回復する必要がないとすると取引安全を害する。   名義回復の費用は第三者の取得費用に比して比較的少額である。   B要件 −外観への信頼    *無過失を要するか。 →意思外形対応型…第三者は善意で足りる。  意思外形非対応型…110条の趣旨を考慮し、第三者は善意無過失を要する。  r.本人の予定した外観以上の外観が作出されている場合であり、本人の帰責性は少ない。    *登記を要するか。 →通判)不要。r.94条2項類推適用の結果、第三者は承継取得したことになり、両者の関係は対抗問題ではない。 本人の帰責性のバランスから第三者の権利保護要件としても登記までは必要とされない。  *真の権利者からの譲受人と94条2項の第三者の関係   →対説)乙に対抗要件がある以上、乙丁間で乙が優先し、丙はその地位を承継する以上丙は   対抗要件なく丁に対抗できる。     c.善意の第三者丙が登場する前は乙は例え登記を有していても丁との関係で甲乙間の     譲渡の有効性を主張できない地位にあったから、乙の登記は無効である。     丁に改めて登記があった場合でも丙が優先すると解するのは不当である。      通判)甲を起点として有効な譲渡が丙と丁になされた場合と同様に考え、先に登記を備えた方が優先する。  r.丙と丁は帰責性がないという点で対等の地位にあり、一般の取引法上のルールで規律すべきである。 5.錯誤   95条 意思表示は法律行為の要素に錯誤ありたるときは無効とす  但表意者に重大なる過失ありたるときは表意者自ら其無効を主張することを得す  (1)錯誤の要件   要件 T「要素の錯誤」   =意思表示の内容の主要な部分であり、この点についての錯誤がなかったなら@表意者は意思表示をしな    かったであろうこと(因果関係)、A意思表示をしないことが一般取引の通念に照らして正当と認めら    れること(重要性)。   U表意者に重大な過失がないこと  (2)錯誤の種類      動機→効果意思→表示意思→表示行為    動機の錯誤…動機と効果意思の間に錯誤がある場合 ex.偽物を本物だと思って買う場合    内容の錯誤…効果意思と表示意思の間に錯誤がある場合 ex.ドルとポンドの価値が同じだと思っていた場合    表示上の錯誤…表示意思と表示行為の間に錯誤がある場合 ex.1ドルで買うと言うつもりが、間違えて1ポンド    で買うと言ってしまった場合   *意思表示の動機に錯誤がある場合に、錯誤無効を主張しうるか。A    →通判)原則として動機は意思表示の内容ではないので錯誤無効にはならない。但し、例外的に動機を表示して      意思表示の内容とした場合には要素の錯誤になりうる。   r.錯誤は意思の欠缺であるところ、動機は意思の形成過程に過ぎないため、原則として錯誤に当たらない。    但し、現実には動機の錯誤の事例も多く、これを一切錯誤に含めないとすると95条の存在意義が薄れる。    他方、取引安全との調和の観点から表示を要求すべきである。 有力説)動機の錯誤も「錯誤」となる。但し、取引安全のため、「要素の錯誤」の要件にプラスして、相手方が悪     意または有過失の時にのみ意思表示は無効となるとする。    r.動機の錯誤と表示行為の錯誤を区別することは困難である。相手方の事情も考慮に入れるべきである。    c.表意者を保護しようとしている民法の錯誤制度の趣旨に反する。法文から外れすぎる。  (3)諸論点   *錯誤無効は誰が主張できるか。B    →判例)原則として表意者のみが主張できる。(相対的無効) r.錯誤無効の趣旨は、表意者の保護にある。    但し、例外として 第三者に債権保全の必要があり、 表意者も要素の錯誤を認めているときは、表意    者自ら無効を主張する意思がなくても第三者は無効主張することができる。   *錯誤と詐欺の双方の要件が満たされている場合、どちらの規定が適用されるか。(詐欺と錯誤の二重効)B    →通説)表意者はいずれも主張しうる。r.両者は要件、効果の点で差異がある。   *錯誤無効の場合の第三者の保護    →四宮)94条2項類推適用によって、錯誤者の帰責性の有無を衡量すべきである。 有力説)96条3項を類推適用すべきである。   *共通錯誤に95条但書の規定は適用されるか。B    →通説)共通錯誤の事案には95条但書の適用はない。    r.重過失によって錯誤に陥った者の相手方も錯誤に陥っていたのであり、この相手方には契約を有効に     して保護すべき正当な利益はないので無効にしてよい。 6.詐欺   96条  詐欺又は強迫に因る意思表示は之を取消すことを得   或人に対する意思表示に付き第三者か詐欺を行ひたる場合に於ては相手方か其事実を知りたるときに限   り其意思表示を取消すことを得      詐欺に因る意思表示の取消は之を以て善意の第三者に対抗することを得す  *「第三者」はいつまでに利害関係に入ることを要するか。この点、96条3項からは必ずしも明らかでなく問題となる。   →通判)取消前に利害関係に入ることを要する。   r.96条3項は取消の遡及効(121条)から第三者を保護する趣旨である。  *第三者は無過失を要するか。   →通説)要する。r.表意者の帰責性は少なく、第三者の保護要件は厳格にすべきである。  *第三者は登記を具備することを要するか。   →司通)権利保護要件として登記を要する。r.表意者の帰責性は少なく、第三者の保護要件は厳格にすべきである。     *取消後、被詐欺者が登記を復帰させる前に登場した第三者の保護をいかにして図るか。A   →177条説(通判):被詐欺者と第三者は対抗関係に立ち、登記を先に備えたほうが優先する。 r.取消がなされた以上、これにより法律関係の変動を迅速に公示して取引の安全を図るべきであり、これを怠  る者は不利益を受けてもやむを得ない。遡及的無効という取消の効果は契約の項かを否定するための擬制に  過ぎず、現実には取消がなされるまでは有効であり、取消により物権が復帰すると考えることも可能である。 c.取消前の第三者については取消の遡及効を認めながら、取消後の第三者についてのみ取消の遡及効を貫徹し  ないことは矛盾する。悪意者でも登記を具備すれば保護されることになるのは不都合である。    94条2項類推適用説(四宮) r.取消の遡及効に適合的である。第三者の善意・悪意や過失の有無を考慮した決め細やかな調整ができる。 c.被詐欺者には、虚偽の外観を作出した者ほどの帰責性はなく94条2項を類推する基礎を欠く。 7.強迫  *強迫取消前の第三者は保護される余地がないか。   →192条類推適用によって保護される余地がある。    r.第三者が利害関係に入った段階では契約は一応有効であったため、自分の前主の無権利について善意無過失と     いうことがありえないから、類推適用となる。  *強迫取消後の第三者   →詐欺取消後の第三者と同様に考える。 5−2 契約内容についての一般的有効要件     90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とす      91条 法律行為の当事者か法令中の公の秩序に関せさる規定に異なりたる意思を表示したるときは其意思に従ふ   92条 法令中の公の秩序に関せさる規定に異なりたる慣習ある場合に於て法律行為の当事者か之に依る意思を有せ  るものと認むへきときは其慣習に従ふ      708条 不法の原因のため給付をなしたる者はその給付したるものの返還を請求することを得ず   但し不法の原因が受益者についてのみ存したるときはこの限りにあらず   内容の確実性   内容の実現可能性 原始的不能は無効   内容の適法性(91条)…「公の秩序に関する規定」(強行規定)に反する行為が無効とされる。    強行規定  物権法・身分法に多い 175条・176条・177条・178条等   {任意規定  債権法に多い 危険負担・担保責任等   内容の社会的妥当性(90条)   *動機に違法がある場合( 賭博行為に使用するために金銭を借りる場合)、法律行為は無効となるか。B+    →通説)動機が相手方に表示された場合には無効となる。    r.違法行為の抑制と取引安全との調和を図るべきである。 5−3 無効と取消    119条〜126条が 意思表示の無効 虚偽表示、錯誤、意思無能力  適用される場合 意思表示の取消 詐欺、強迫  法律行為の無効 内容の不確定・実現不能・強行法規違反・公序良俗違反、既成条件付き法律行為 (131条1項2項)、意思表示の無効・取消から派生する法律行為の無効  法律行為の取消 行為無能力(4条・9条・12条)  適用されない  効果不帰属  無権代理・権限なき者による処分  場合  その他  契約申込の取消(521条)、詐害行為の取消(424条)、書面によらない贈与の取消  (550条)、夫婦間契約の取消(754条) 1.無効  (1)基本的効果 当然に効果不発生  (2)無効行為の転換:無効の法律行為が他の法律行為の要件を備える場合に、後者の法律行為として効力が生じること  を認めること 地上権設定契約から賃貸借契約への転換、非嫡出子を嫡出子として届け出た場合に認知の効力を持つ(判例)     秘密証書遺言が無効である場合の自筆証書遺言への転換(971条)、他人の子を養子にする際にいきなり嫡出     子出生届を出し、嫡出子出生届として無効であるときに、養子縁組届として有効となる(→判例否定)  (3)無効行為の追認   119条 無効の行為は追認に因りて其効力を生せす。但当事者か其無効なることを知りて追認を為したるときは新   なる行為を為したるものと看做す   →一定の場合に追認を認めうる。 虚偽表示は両当事者の追認により有効となる。 錯誤・意思無能力は一方当事者の追認により有効となる。 2.取消  (1)取消権者   120条 取消し得へき行為は無能力者若くは瑕疵ある意思表示を為したる者、其代理人又は承継人に限り之を取消   すことを得    無能力者の行為があった場合    → 無能力者自身(無能力のままでなしうる) 無能力者の「代理人」 無能力者の「承継人」    詐欺・強迫による意思表示がなされた場合→ 瑕疵ある意思表示をした者  「代理人」 「承継人」  (2)取消の方法   123条 取消し得へき行為の相手方か確定せる場合に於て、其取消又は追認は相手方に対する意思表示に依りて之   を為す    取消は取消権者の一方的意思表示によって取消の効果が生じる(形成権)。    相手方の意思表示によって行なう。    →通判)第三者に譲渡された場合には、取消の意思表示は法律行為の直接の相手方に対して行なえば足りる。  (3)取消の基本的効果   121条 取消したる行為は初より無効なりしものと看做す。   但無能力者は其行為に因りて現に利益を受くる限度に於て償還の義務を負ふ    原則…履行済債務は不当利得として返還しなければならない(703・704条)    特則…無能力者は悪意でも現存利益の返還で足りる。 *無能力者の返還義務はいかなる範囲か。121条但書の現存利益とは、いかなる場合かが問題となる。B  →判例)利益が有形的に残っている場合ばかりでなく、無能力者の受けた利益が無能力者のため有益に消費  されて財産の減少を免れた場合も現存利益に含む。一方で無能力者が浪費した場合には現存利益は  ない。( 703条では受領した利益を浪費しても現存利益はあると考える)  (4)取消しうべき行為の有効確定   @追認   122条 取消し得へき行為は第120条に掲けたる者か之を追認したるときは初より有効なりしものと看做す   但第三者の権利を害することを得す[立法の瑕疵]   124条  追認は取消の原因たる情況の止みたる後之を為すに非されは其効なし    禁治産者か能力を回復したる後其行為を了知したるときは其了知したる後に非されは追認を為すことを    得す    前2項の規定は法定代理人か追認を為す場合には之を適用せす    ψ要件 α追認権者  イ無能力者の行為があった場合   → 無能力者自身(無能力のままではなしえない。但し未成年者は法定代理人の同意を得て追認をしうる)    無能力者の「代理人」  無能力者の「承継人」  ロ詐欺・強迫による意思表示がなされた場合   → 瑕疵ある意思表示をした者(詐欺・強迫による誤解に気づいた後) 「代理人」  「承継人」 β取り消すべき行為と追認しようとする行為との同一性についての認識(124条2項参照) γ取り消すべき行為が取消しうべきものであることを知っていること(判例)   A法定追認   125条 前条の規定に依り追認を為すことを得る時より後取消し得へき行為に付き左の事実ありたるときは追認を   為したるものと看做す。但異議を留めたるときは此限に在らす   1.全部又は一部の履行 2.履行の請求 3.更改 4.担保の供与   5.取消し得へき行為に因りて取得したる権利の全部又は一部の譲渡 6.強制執行    ψ要件 α125条列挙事由に当たること β追認のできる者によって行なわれたこと γ取消権者が「意義を」留めなかったこと(125条但書)   B取消権の消滅   126条 取消権は追認を為すことを得る時より5年間之を行はさるときは時効に因りて消滅す。   行為の時より20年を経過したるとき亦同し    *「追認をなすことを得る」時とは。 →通説)124条に定めるとき。無能力者本人については能力者となったときから、法定代理人については、取     消うべき行為が行なわれたときから計算するのが原則であるが、法定代理人の取消権が消滅したとき     は、本人の取消権も消滅すると解すべきである。